ウイキョウと読む。
ヨーロッパではフェンネルと呼ばれ、
原産地も地中海沿岸である。
非常に古い時代から栽培されている植物で、
胃薬として使われる。
安中散の主要な生薬であり、
太田胃散にも含まれている。
また、咳や痰にも効き、
現在でも特にヨーロッパでは
紅茶やスープに入れられる。
薬草としての作用もさることながら、
香辛料としても重要である。
ディル同様に魚介類の臭みを消すために使われ、
ピクルスに清涼感を出す使用法もある。
パスティスというフランスの酒の
香り付けに利用されているのだが、
このパスティス、偽物という意味合いがある。
どういうことかというと、
ニガヨモギを使用したアブサンが、
その幻覚作用により禁止された後、
代用品として流通したことに由来する。
緑の魔酒と異なり、琥珀色の酒なのだが、
水を加えると白く濁る。
アブサンとはかなり異なるため、
何故これが代用となったのか、
少々疑問が残る。
なお、パスティスの香りはフェンネルだけでなく、
アニスやリコリスも使用されており、
特にアニスの香りがかなり自己主張してくる。
度数の高い甘い酒で、
水割りやカクテルの材料として飲む。
しかし、一部では更にシロップを加えて
より甘くして飲むようだ。
私は甘い酒は好かない。
ちなみにパスティスの名産地はマルセイユだ。
フランスの酒なのである。
さて、フェンネルに話を戻そう。
この植物はディルと非常によく似ている。
花も実も似ているため、
一部地域では混同されている。
香りと味にはかなりの違いがあるため、
レシピを間違えると料理が別物になってしまう。
分かりやすい判別としては、
フェンネルは甘い香りが強く、
ディルは後味が辛い。
ついでに言うと、果実に関して言えば、
キャラウェイとクミンも似ている。
すべて芹の仲間であるためだ。
アニスやコリアンダーもセリの仲間である。
セリの類はほとんどが香りが強く、
薬効を持っている。
興味深い植物だ。