セリの仲間の植物である。
英語ではコリアンダー、タイではパクチー、
チャイナではシャンツァイ(香菜)と呼ぶ。
本邦での呼び方コエンドロはポルトガル語に由来するが、
今ではパクチーの名が一般的だろう。
古くはコスイやコニシと呼び、
生魚を食べる際の薬味とされていた。
ヨーロッパでは特に果実が香辛料として重視され、
柑橘系の香りがするため、
紅茶や酒に使われる。
インドでも調合香辛料で使われ、
爽やかな香りが付与される。
だが、やはりコエンドロの利用で特徴的なのは葉だろう。
いわゆるパクチーである。
パクチーは本来、料理に添える薬味に過ぎない。
本邦のワサビのような使い方だ。
それが本邦では大流行してしまい、
パクチーサラダなどが席巻。
タイやベトナムの人々から仰天されている。
パクチーだけをむしゃむしゃ食べることは、
ワサビをぼりぼり食べるようなものなのだ。
ただ、華北のある地域には、
老虎菜というサラダ系の料理があり、
胡瓜、青唐辛子、香菜を生食にするので、
間違っているというわけでもないと思う。
パクチーといえば好き嫌いが分かれることで知られている。
ダメな人は徹底的にダメなのだ。
なんせ、カメムシ草という名前があるほどで、
独特の匂いの強さは嫌われても仕方がない。
私は大好きだが。
なお、古くは薬草として重宝されていた。
エジプトの医学書にも記されており、
大プリニウスもエジプト産コリアンダーが
最高だと述べている。
ヒポクラテスも炎症に効く薬草として
利用を推奨していたし、漢方の生薬でもある。
ただ、現代医学ではあまり
効能が高いとは考えられていない。
とりあえず、パクチーが嫌いな人が
無理に克服する必要はないと思う。
私は大好きだが。