ナミブ砂漠に生息する小型の牛である。
牛よりも水牛に近い種類なのだが、
その大きさは山羊ていどしかない。
水牛の仲間の中で最小だ。
見た目もミニチュアの牛といった風情で、
水牛の仲間だが角は無い。
砂海を歩くのに適した毛の生えた足裏を持ち、
胃の中に飲んだ水を貯めておくことができる。
一般に、牛の仲間は複数の胃を持つが、
バルシオックの場合、そのうちのひとつが
貯水専門となっているのが興味深い。
必然的に腹が重くなるため、あまり機敏には動けないが、
天敵の少ない砂漠に生きるため、
ゆったりとした生活を営んでいる。
暑さを避けるため、日の沈む頃から夜中にかけてが
最も活発に動き回る時間帯で、
日中は砂をかぶって眠っている。
本来は草食であったが、食料が乏しい砂漠に適応した結果、
蟻などの昆虫も食べられる草食寄りの雑食である。
そのため、蟻を効率的に食べられるよう
舌が長くなっており、口も牛と比べると突き出している。
体内の熱を発散させるために耳は大きく、
これらの特徴のせいでなんとも間抜けな面構えだ。
群れは作らず、縄張りも持たずに放浪しているため、
恋の季節には同族の異性と出会うために
かなり大きな声で歌うように鳴く。
夕日の沈む砂漠に響き渡る長い鳴き声は、
ノスタルジックな想いを抱かせ、
旅人の心の奥底に深く記憶されることだろう。