環形動物という種類の生き物がいる。
ケヤリムシやウミケムシ、ゴカイなどがそれだ。
そのうち環帯類と呼ばれるものには
ミミズとヒルがいる。
ミミズの名の由来は、目見えずで、それが訛り、
メメズとなり、それが更に訛ってミミズとなった。
現代でもメメズと呼ぶ地域がある。
都心部でも見られるため外形をわざわざ説明する
必要はないかもしれないが、手足も頭も
触覚も目も耳も無い口だけの存在である。
一見すると非常に原始的な生き物のように感じられるが、
ゴカイのような複雑な動物が土中の生活に適応した結果、
不要な器官が退化したものである。
目は無いと前述したが、
よく見れば退化した目の痕跡があり、
種類によっては水中呼吸用のエラがある。
また、体表はつるりとしているように見えるが、
頑丈な毛が生えており、この毛をうまくひっかけ、
蠕動によって前進する。
骨もない柔らかな体をしているが、
体内の水圧を変える能力を持っているため、
一時的に一部を固くすることが可能だ。
これにより、土を掘り進むことができる。
ミミズは体全体で光を感じることができ、
土中にあってもある程度自分の位置を把握できるという。
呼吸も皮膚呼吸である。
ミミズといえば頭の近くに
特徴的な帯があるのを知っていると思う。
実はあれは生殖器官の納められた部位だ。
ちなみに雌雄同体である。
さて、ミミズといえば土を食らうイメージが
強いのではないだろうか。
彼らは微生物の死骸や枯れ葉を主食としており、
そのために土ごと食らう。
種類によっては地上に顔を出し、枯れ葉を食う。
土を食い、微生物や有機物片を消化して糞として出すと、
この糞は上質な土となる。
ここでいう上質な土とは農業に適した土のことだ。
したがって、古来ミミズは益虫として有難がられてきた。
実は一部例外もあるのだが、まあいいだろう。
ところでミミズを食べることができることは
知っているだろうか。
実は栄養価が豊富で、世界の様々な地域で食べられている。
どうやら寄生虫の問題もほとんど無いようだ。
土を消化管から抜く手間が掛かるぐらいか。
味は癖も風味もほとんど無い。
なのでさっと茹で、薬味や調味料を使い、
食感を楽しむ料理となる。
ただ、強い味を持つ個体がいるらしく、
三日間は後味が消えないという噂もある。
漢方薬では赤竜や地竜と呼ばれ、
皮を乾燥させたものが解熱剤として使われてきた。
喘息の発作にも効くらしい。
こんなところだろうか。
そうそう、雨の日によくミミズが地上を這い回っているが、
あれは土中に水が入り込み、酸欠になることが原因だ。
だが、都会では運悪くコンクリート上へ進出してしまい、
その後、土の中に戻れぬまま干からびてしまう。
ちなみに、干からびたミミズの匂いは
犬の大好きな香りらしい。