コビトカバやピグミーヒポポタマスと呼ばれる
小型の河馬である。
ニベクヴェという名前は伝説上の生き物、
黒い豚の怪物の名だが、コビトカバのことを
指していると考えられる。
調べても現地語での呼び名が分からなかったため、
便宜上、ニベクヴェの名でコビトカバを紹介する。
コビトカバはその名の通り小さなカバである。
大きさは山羊程度で、一見すると
カバの子供のようにも見える。
しかし、我々のよく知るカバとは異なり、
水中にいる時に目、鼻、耳が水面に出るよう
上部に突出してはいない。
このため、マナティーやジュゴンのような
愛嬌のある顔つきをしている。
体色は黒く、カバ同様に赤い汗によって
毛の無い体が保護される。
一番の違いは、水中にいる時間が短く、
陸上の生活がメインであることだろう。
川の土手に空いた穴を巣穴として暮らし、
シダの葉などを食べる草食性である。
さて、このコビトカバ、ナイジェリアや
シエラレオネの熱帯雨林に生息することから
なかなか発見されなかった。
生物学者は頭蓋骨などを標本として入手しては
いたが、カバの奇形種であると断定していた。
そんな中、ドイツの動物商人が現地の伝説、
ニベクヴェとセンゲの話を聞いて、
未発見の動物がいるはずだと探検を行った。
センゲは角を持つ怪物の名だが、
牙を角と見間違えられたモリイノシシだと
考えられている。
果たして、商人は生きたコビトカバを発見し、
この小さなカバが奇形ではなく
れっきとした種族であることを突き止めた。
世界三大珍獣の一角であるコビトカバの生態は
まだまだ分かっていないことだらけである。
だが、世界各地の動物園で飼育されており、
繁殖にも成功しているため、
実は現物を見るのはそう難しくない。
ナイジェリアでは絶滅が有力視されており、
シエラレオネでもごく少数が発見されているだけで、
野生のコビトカバは極めて危険な状態にある。
というのも、熱帯雨林の開発により住処を奪われ、
ハンターたちの格好の獲物となっていたため、
一気に個体数が減少したのだ。
民話によると、ダイヤモンド鉱床の場所を
知っている生き物であるとされるため、
この噂を聞いて集まったハンターもいたことだろう。
ちなみに、現地では密かに
食用に狩猟されているという。
豚に似て美味いらしい。
それにしても現地語では何と呼ばれているのだろう。
やはり豚に関連する名前なのだろうか。
あの辺りは部族によって言語が違うため、
共通の名前も無いかもしれないが、
ぜひとも知りたいところである。