序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年7月6日金曜日

ジャージーデビル

アメリカ合衆国の北東の州、
ニュージャージーに生息する動物だ。
翼手目である。

見た目は馬のような頭を持つ大蝙蝠といった風情で、
大変気味が悪い。

発情期の馬のいななきを金切り声にしたような
不気味な声で鳴く。

夜間にこの声を聞いた入植者たちは
悪魔の声のようだと嫌がり、
デビルと名付けた。

前足は翼になっているのだが、
飛ぶことはできず、細い後足で素早く走る。
非常に臆病ですぐ逃げてしまう。

悪魔とは名ばかりのひ弱な動物だ。

だが、入植者たちは家畜を襲う害獣だと思い込み、
懸賞金までかけて彼らの駆除を行おうとしたために、
生息地を追われ、劇的に数を減らすことになった。

現在は絶滅危惧種として保護されているが、
野犬の群れの格好の獲物となっているため、
残念ながら数を減らし続けている。

なお、ジャージーデビルは非常に難産である。
出産時に母子ともに死亡してしまう例が少なくない。

これは蝙蝠にしては大きすぎる頭が
産道に引っかかってしまうためで、
死産率が非常に高い。

なんとも非効率な印象を受けるが、
進化の過程で何かしら
この形状に落ち着く理由があったのだろう。