序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年7月1日日曜日

食塩

塩は人が生きていくうえで不可欠な物質である。

海水を乾かす、岩塩を掘り出す、
もしくは塩湖から採取する。
これが塩を得る主な方法だ。

本邦では塩湖も岩塩も乏しいため、
海水から精製する以外の方法は馴染みが無い。

だが、世界的に見れば塩湖も岩塩も無く、
海水から製塩しなければならない
環境の方が珍しいのだ。

もちろん、塩湖も岩塩も海水も無い地域がある。
そこでは貿易で塩を手に入れる必要があった。

そういう意味では本邦は
海に囲まれていて幸運だ。

サハラでは、塩を手に入れるために
危険な砂漠を縦断し、黄金と交換していたという。

塩と金の交換である。
手に入らない場所ではそれだけ価値が上がるのだ。

また、貨幣の信用がなくなると、
現物での取引が行われるようになるのだが、
その時に頼りになるのもやはり塩だ。

塩は薬としても扱われていた。
化膿を防ぐ効果などを考えれば想像しやすいだろう。
ナトリウム以外のミネラルを得られるのも大きい。

ところで、神道では穢れを祓うために塩を使う。
これは世界的に見れば珍しい信仰だ。

塩害によって畑の作物の生育が阻まれる
という話を聞いたことがあるだろう。

このため、塩を撒くことを呪いと
見做す地域も少なくない。

塩分は摂取しすぎれば体を壊す。
だが、摂取しなければ生きていけない。

何事も丁度良い塩梅というものが肝要なのだ。