塩は人が生きていくうえで不可欠な物質である。
海水を乾かす、岩塩を掘り出す、
もしくは塩湖から採取する。
これが塩を得る主な方法だ。
本邦では塩湖も岩塩も乏しいため、
海水から精製する以外の方法は馴染みが無い。
だが、世界的に見れば塩湖も岩塩も無く、
海水から製塩しなければならない
環境の方が珍しいのだ。
もちろん、塩湖も岩塩も海水も無い地域がある。
そこでは貿易で塩を手に入れる必要があった。
そういう意味では本邦は
海に囲まれていて幸運だ。
サハラでは、塩を手に入れるために
危険な砂漠を縦断し、黄金と交換していたという。
塩と金の交換である。
手に入らない場所ではそれだけ価値が上がるのだ。
また、貨幣の信用がなくなると、
現物での取引が行われるようになるのだが、
その時に頼りになるのもやはり塩だ。
塩は薬としても扱われていた。
化膿を防ぐ効果などを考えれば想像しやすいだろう。
ナトリウム以外のミネラルを得られるのも大きい。
ところで、神道では穢れを祓うために塩を使う。
これは世界的に見れば珍しい信仰だ。
塩害によって畑の作物の生育が阻まれる
という話を聞いたことがあるだろう。
このため、塩を撒くことを呪いと
見做す地域も少なくない。
塩分は摂取しすぎれば体を壊す。
だが、摂取しなければ生きていけない。
何事も丁度良い塩梅というものが肝要なのだ。