序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年7月28日土曜日

青銅

銅との合金である。

青緑色のイメージが強いが、あれは錆びの色であり、
本来は赤銅色、黄金色、白銀色のどれかである。

本邦の遺跡から出土する銅鐸は、
元々は黄金色に輝いていたのだ。

色の幅があるのは錫の含有量の違いで、
錫が多いほど硬く脆くなる。

硬さと脆さのバランスで言えば、
黄金色の状態が最も優れていると言えるだろう。

なお、十円玉は赤銅色をした青銅である。

純銅で作られた銅器は柔らかいため、用途が限られる。
対して、錫を混ぜた青銅器は武器に使えるほど強い。

ここで、ひとつ衝撃の事実を告げなければならない。
歴史で青銅器時代と鉄器時代というものを習ったと思う。
化学で鉄と銅の融点の差についても学んだと思う。

だが、鉄器は青銅器よりも低い温度で作ることができる。

鉄は溶かさずとも鉄鉱石を熱して叩くことで
鉄材とすることができるのだ。
むしろ近世に入るまで溶解させられなかった。

この方法は炭素の含有量の調節が難しく、
初期の鉄は柔らかいものだった。
おまけに錆びやすい。

その点青銅は表面のみが錆び、
その錆が酸化被膜として中身を守ってくれるため、
鉄器より耐久性に優れていたのだ。

ただし、青銅器には弱点がある。
銅は比較的手に入りやすいが、錫の産地が限られている。
対して鉄はどこにでもある。

青銅器から鉄器に移行したのは
製鉄技術の向上もあるかもしれないが、
おそらくこの辺りが関係しているのだろう。

鉄の剣よりも青銅の剣の方が強い。
ただし、鋼の剣は段違いで強い。

どうだろう、青銅のイメージが
変わったのではないだろうか。