銅と錫の合金である。
青緑色のイメージが強いが、あれは錆びの色であり、
本来は赤銅色、黄金色、白銀色のどれかである。
本邦の遺跡から出土する銅鐸は、
元々は黄金色に輝いていたのだ。
色の幅があるのは錫の含有量の違いで、
錫が多いほど硬く脆くなる。
硬さと脆さのバランスで言えば、
黄金色の状態が最も優れていると言えるだろう。
なお、十円玉は赤銅色をした青銅である。
純銅で作られた銅器は柔らかいため、用途が限られる。
対して、錫を混ぜた青銅器は武器に使えるほど強い。
ここで、ひとつ衝撃の事実を告げなければならない。
歴史で青銅器時代と鉄器時代というものを習ったと思う。
化学で鉄と銅の融点の差についても学んだと思う。
だが、鉄器は青銅器よりも低い温度で作ることができる。
鉄は溶かさずとも鉄鉱石を熱して叩くことで
鉄材とすることができるのだ。
むしろ近世に入るまで溶解させられなかった。
この方法は炭素の含有量の調節が難しく、
初期の鉄は柔らかいものだった。
おまけに錆びやすい。
その点青銅は表面のみが錆び、
その錆が酸化被膜として中身を守ってくれるため、
鉄器より耐久性に優れていたのだ。
ただし、青銅器には弱点がある。
銅は比較的手に入りやすいが、錫の産地が限られている。
対して鉄はどこにでもある。
青銅器から鉄器に移行したのは
製鉄技術の向上もあるかもしれないが、
おそらくこの辺りが関係しているのだろう。
鉄の剣よりも青銅の剣の方が強い。
ただし、鋼の剣は段違いで強い。
どうだろう、青銅のイメージが
変わったのではないだろうか。