序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年7月18日水曜日

手の平に乗る程度の茶色い鳥である。
頬と腹が白く、頬には黒い斑があり可愛らしい。

ポルトガルから本邦まで広く分布するが、
寒い地域と何故かインドには生息していない。

ヨーロッパのスパローは山間部に住み、
東アジアの雀は農村や都市など人の住む場所に多い。

イネ科の植物の種子を好むが雑食で、
都会では花の蜜や生ごみを食べて逞しく生きている。

穀物をついばむことから、
毛沢東が雀を害獣と発言したことがある。

これを聞いた人民は、一生懸命雀を狩り、
農村から駆逐した。

すると、雀が食べていた虫が大発生し、
畑は大被害を受けたという。

いたずらに生態系を弄ってはいけない。

さて、都会で沢山見ることのできる雀だが、
彼らの巣を見たことがあるだろうか。

小さな巣を驚くほど狭い隙間などに作るのだが、
もしかしたら自分の住んでいる建物にもあるかもしれない。

瓦の下や雨樋、屋根の隙間や煙突、
換気扇カバーにプレハブの鉄骨の隙間など、
実はあちらこちらに巣が存在する。

子供を育てていない夏から秋にかけての時期は、
街路樹の枝などに凄まじい数が集まって寝ている。
もし、夜中に木を切り倒したら、
雀の群れが突然現れることだろう。

群れといえば雀たちは
よく分からない遊びをしていることがある。

ふたつの群れに別れ、何かの拍子に一斉に飛び、
もう一方の側に移動しようとするが、
何割かは途中で引き返して元の位置に戻る。
これを繰り返す。

雀合戦と呼ばれているが、
これが実際に何なのかは寡聞にして知らない。

雀は体の大きさに見合わず獰猛で、
恋の季節になると激しく喧嘩するのだが、
雀合戦も縄張り争いか何かなのだろうか。

最後に、焼き雀の話をしよう。

京都の伏見稲荷の門前では雀の焼き鳥が売られている。
見た目は頭がそのまま残っているためぎょっとするが、
骨ごとパリッといけば深い味わいが広がる。

タレと山椒の風味が格別に調和し、
抜群に美味いのだが、獲れる数が限られているため、
販売数は少なくすぐ売り切れになってしまう。

食糧難だった昔はあちこちで食べられていたのだが、
狩猟の手間に対して食べられる身の少なさから、
次第に人気を失っていった。

なお、雀は鳥獣保護法において
狩猟鳥に分類されているため、
自由に飼育や捕獲をしてはいけない。

追記:雀が死にかけの
ばりばり貪っているのを見掛けてしまった。