序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年7月14日土曜日

ケナフ

ケナフとは麻によく似た葉を付ける
非常に背の高い草である。

アフリカ原産とされるこの植物は、
古くから繊維が利用されてきた。
洋麻と呼ばれることもある。

茎の外皮は固く、
この繊維が耐久性の必要な布となる。
南京袋や絨毯などに使われてきた。

一時期、この植物が本邦で
もてはやされたことがある。

二酸化炭素の吸収量が多く、簡単に栽培でき、
紙を作ることができるという触れ込みで、
環境に優しい植物と喧伝されていた。

私も当時はそんな情報を真に受け、
いずれは木材ではなくケナフから
紙が作られるようになると考えていた。

時代を先取りし、先鞭をつけるために
畑を持つ友人にケナフを作ってはどうかと
提案したことすらある。

しかし、結局ケナフ紙は一過性の流行に終わった。

若かった私は耳触りの良い
未来を思わせる情報に踊らされてしまったのだ。

エコだとか先進的だとか未来的だとかいうものを
易々と信用してはならない。

やはり何かが代替されるには、
より低コストで高品質である必要があるのだろう。
ケナフはどちらにも当てはまらなかった。

森林伐採の問題が今より更にもっと深刻になれば、
今一度脚光を浴びることも無いとは言いきれないが、
そんな事態になれば紙を気軽に
使うどころではないかもしれない。