本邦固有の針葉樹である。
ヒマラヤ杉やレバノン杉など、
本邦において杉と呼ばれる海外の植物は
少なくないが、実はほとんどが杉ではない。
英語のシダーはしばしば杉と訳されるが、
松の仲間のヒマラヤ杉や
黒檜の仲間のアメリカ杉を中心とした
針葉樹一般を指す言葉がシダーだ。
シダーウッドを杉と訳してしまったため、
杉ではない植物に杉とつく和名が
与えられてしまったのだ。
杉の仲間は少なく、
北アメリカのセコイアと落羽松、
華南の広葉杉ぐらいのものである。
本邦において、杉は太古の昔より
木材として活用されてきた。
真っ直ぐな幹は木材として非常に適しており、
本邦の木工技術の発展に
大きく寄与したのではないかと思われる。
だが、杉には厄介な点がふたつある。
いずれも杉材を求めて植林をした結果だ。
ひとつめは過密な杉林には他の植物が
生育しないという点である。
杉林はとても暗い。
地面まで光が届かないのだ。
そのため、杉林は生物が少ない。
緑の砂漠とまで呼ばれるほどだ。
ただし、竹は容赦なく杉林を侵食する。
ふたつめは大量の花粉が飛散する点だ。
杉は風媒花である。
杉花粉は花粉症の代表として君臨しているが、
要するに植林のしすぎが原因なのだ。
幸い私は花粉症ではないが、
花粉量が非常に多い年はすこしむず痒くなる。
いずれ発症してしまうことだろう。