セーヌ川の中州、シテ島を中心として
発展したフランスの首都である。
ローマ人の都市ルテティアが基礎となっている。
元々ルテティアはシテ島に作られた
パリシイ族というガリア人の城砦で、
泥の土地、水の中の土地といった意味合いである。
ローマが衰退するとルテティアは再び
シテ島の城砦のみとなり、パリシイ族の名に
由来するパリと呼ばれるようになった。
フランク族の手に渡ったパリは、
パリ伯爵の権威が増すと共に発展し、
パリ伯爵が国王に推挙されたことで首都となる。
そして、ヨーロッパが文化的に発展するに従い、
人文、芸術の発信地となっていった。
現在のパリは、ナポレオン三世の構想によって
ジョルジュ・オスマンが改造した姿である。
エトワール凱旋門から放射状に伸びる
十二本の大通りは花の都パリの象徴とも言える。
パリ万博に合わせて造られた
エッフェル塔もパリの顔だろう。
ただし、交通の便に優れたこの都市は、
要塞としては非常に脆弱であった。
実際に大国の首都とは思えぬほど容易く陥落している。
パリを手に入れたアドルフ・ヒトラーは
連合軍に奪回されることがあれば
その前に徹底的に破壊するよう命じたという。
有名な「パリは燃えているか?」である。
だが、司令官はパリを破壊した人物として
歴史に名を残すことを嫌がり、
命令を実行しなかった。
そんなパリも近代化を続けている。
モンパルナスタワー、ラ・デファンス、
オペラ・バスティーユなどなど、歴史的な景観を
壊すとして反対運動の起こった建物も少なくない。
私が以前パリへ行った際には物乞い、浮浪者、
スリに詐欺師が目に付いた。
花の都の現実に失望する外国人は多く、
パリ症候群という言葉まで存在する。
昨今の移民政策はパリの劣化を促進しているらしく、
恐らく、今再びパリを訪れたならば、
昔はまだましであったのだと悲嘆に暮れることだろう。
パリの良い所も記しておこう。
私のお勧めは地下鉄である。
東京の地下鉄に慣れていても、あの古色を
残した駅の数々と、そこを行き交う人々の
バイタリティには心躍るものがある。
なかなかに複雑な路線図だが、
パリを観光するならば是非とも
地下鉄をマスターしてみてほしい。