序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2019年2月14日木曜日

オカピ

足だけにシマウマのような模様のある
茶色い哺乳類である。

頭は鹿のようで体つきは馬のような
生き物だがキリンの仲間だそうだ。

昔はその模様からシマウマの仲間だと
思われていたというが、
キリン同様に二本の角を持つ。

また、キリンと同じ特徴としては他に
青白く長い舌を持つ。

なんと面長の顔でありながら、
自身の耳まで舌が届く。
この舌で木の葉や草をむしって食べるのだ。

生息地はアフリカ中央部コンゴの密林で、
足の模様は草木に紛れ込む
カモフラージュだと思われる。

一説によると森林地帯から出て
草原で生きるようになったオカピの先祖が
キリンに進化したらしい。

英語ではフォレストジラフ、
つまり森キリンと呼ばれることがあるが、
絶滅していないキリンの仲間は
キリンとオカピしかいないためだろう。

世界三大珍獣の一角であり、
森の貴婦人の異名を持つが、
珍獣と呼ぶにはやや地味な気がする。

世界的に珍しい動物なので
珍獣といえば珍獣なのだが、
特徴的なのは足の模様ぐらいである。

それもシマウマと比べれば中途半端で、
クアッガの珍妙さには負ける。

そもそもキリンのような首が長いという
他に類を見ない個性的な特徴がない。

とはいえ、鹿のような頭に馬のような体、
短い二本の角と青白く長い舌を持ち、
足だけがシマウマである。

こう書けばなんだか合成獣の如き
怪しげな雰囲気も出るというものか。

かつて秦代に権勢を振るった宦官が、
自身の敵を判断するために
珍しい馬と称して鹿を献上した。

二世皇帝が鹿ではないのかと尋ねると、
宦官を恐れる者は馬だと言い、
気骨のある者は鹿だと言った。

鹿と言い放った者たちは
後に暗殺されたという。

オカピを見たら何と言うのだろうか。

ちなみに、上記の指鹿為馬という故事から
馬鹿という言葉が生まれたわけではない。

バカという本邦の言葉に
当て字されて馬鹿となったのだという。
鹿をカと読むのは訓読みである。

オカピと関係のない話をしていたら
長くなってしまった。
特にオチはない。