序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2019年2月23日土曜日

ヒアリノバトラチウム

内臓が透けて見えるカエルである。

グラスフロッグと呼ばれる内臓の透けた
カエルはいくつかの種類がいるが、
このヒアリノバトラチウムは
真のグラスフロッグと呼ばれている。

体の色は明るい緑色で、
アマガエルなど本邦で一般的に
イメージされるものより蛍光色に近い。

特徴的なのはやはり腹部が
透明であることだが、
その理由は分かっていない。

白い眼球がかなりせり出している
ことも印象的だ。
まるで戯画化されたキャラクターである。

アメリカ大陸の熱帯雨林に生息する
このカエルは、普段は樹上で生活している。

また、鳴き声は口笛のような音色で、
カエルというより虫の声である。

このふたつの点から、発見が遅れ、
近年の新種発見と相成った。

ちなみに、オスは葉に産み付けられた卵を
じっと守り続ける。

卵から産まれたオタマジャクシは、
葉からこぼれ落ち、
川や池へ飛び込んでいく。
こうした性質もなかなか珍しい。

なお、他のグラスフロッグは
より色の濃いセントロレン、
白い体色のキメレラ、斑点のあるコクラネラ、
褐色のニンパルガスなどがいる。

本邦では透明なカエルとして
センセーショナルに語られるが、
その実態はあまり知られていない。

アマガエルモドキの仲間ではあるが、
和名すら無い状態だ。

ただし、カエルに特化した一部の動物園では
展示されているので興味があれば
探してみるといいだろう。