タンザニア北部に位置する大カルデラである。
火山活動によって生じた盆地のことを
カルデラと言うのだが、このンゴロンゴロは
その規模が非常に大きく世界最大級だという。
遥か昔は火口であったこの地は
雨季には緑あふれる平原が広がる。
火口の縁に当たる部分によって外界から
隔絶されているため、この地に生きる
動物たちはほとんど外に出ることはない。
しかし、ガラパゴス化しているわけではなく、
クロサイ、ゾウ、ライオン、バッファローなど、
他の地でも見られる大型哺乳類が多い。
まさに野生動物の楽園である。
なお、遊牧で暮らすマサイ族の人々も
この地で動物たちと共存している。
彼らは昔ながらの生活を営むと共に、
密猟者に目を光らせ、ンゴロンゴロの
平和を守っているのだ。
ちなみに、ンゴロンゴロの西には
オルドヴァイと呼ばれる小さな渓谷がある。
この谷はヒトの発祥の地ではないかと
言われているが、真相究明は
まだまだ先になりそうだ。
現在繁栄を謳歌する我々ホモサピエンスだが、
この渓谷で見つかった化石はサピエンスではない。
猿人と原人の中間に位置する存在だと
考えられているが、我々サピエンスが
その子孫であるかどうかは分からない。
もし、彼らホモハビリスが我々の祖先であるならば、
このオルドヴァイ渓谷はすべての人類の故郷
ということになるだろう。
ただし、ホモハビリスが本当に
ホモ属であるかどうかすら
はっきりしていないのが現状だ。
些末なことだが、オルドヴァイとは本来
この渓谷の名前ではない。
この地に生える植物オルドパイの聞き間違えである。