南西ソマリアの首都である。
ソマリアとして承認されている国は
ソマリア連邦共和国であるが、
その実態は分裂状態である。
四つに分裂したソマリアのうち、
南西部分のベイ、バコール、下部シェベリの
三州が南西ソマリアの版図となっている。
ただし、他のソマリランド、プントランドと異なり、
南西ソマリアはソマリア連邦へ合流している。
さて、そんな南西ソマリアの首都ブラヴァは
歴史の古い港町である。
明代の鄭和艦隊が辿り着いた不刺哇という港は
おそらくこのブラヴァであろうと言われている。
アフリカ東海岸の海上交易路の重要港であり、
ポルトガル艦隊やザンジバルのスルタンの
影響を受けながら興亡を繰り返した。
後にイタリア領ソマリランドとなったが、
イギリスとのエチオピア戦争の結果
イギリス領となり、ソマリアとして独立する。
だが、ソマリアはひとつにまとまることができず、
ソマリア内戦が勃発し、
ブラヴァにも戦火が及んだ。
以来、長らく無法地帯と呼んでいい状態が続いている。
密輸船を海賊が襲うという事例が
どのような状態かを物語っているだろう。
また、イスラム過激派のひとつに数えられる
アル・シャバブに支配されていたことでも知られる。
アル・シャバブとソマリア政府軍との戦いは
政府軍に軍配が上がったが、
アル・シャバブは壊滅したわけではなく、
つい先月もナイロビを襲撃している。
話が逸れたが、ソマリア内戦は終わっていない。
ブラヴァはアル・シャバブの撤退により
小康状態となっているが、
観光に行ける状態でないことは明白である。
おそらくソマリア海賊の拠点のひとつでもあり、
アフリカの角と呼ばれる地域の
安寧を脅かし続けている。
今の時代に海賊が跋扈しているという事実は
本邦で暮らしているとにわかには
信じがたいことだが、
そういう地域もあるということは忘れてはならない。