序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2019年2月17日日曜日

オデドア

ギニア湾の周辺に生育する灌木である。

細い幹に、細い枝、申し訳程度の葉。
一年に二回ほど咲かせる小さな白い花。
花と同程度の大きさの黒く乾いた果実。

いずれも特に目を引くものではなく、
そうと知らなければ気にも止めない
いわゆるモブのような植物である。

だが、このオデドアには
変わった特徴がある。

根が異様に太く、縦だけでなく横にも
伸びていく性質があるのだ。

太い根にはたっぷりと水分が蓄えられており、
根を掘り返して折れば滴り落ちる。

このことから、砂漠やサバンナにおいて、
飲み水を手に入れる手段となる。

それもただの水ではない。
かすかに甘く、喉ごしが良いうえに、
不足しがちなミネラルを栄養として
摂ることが可能だ。

栄養に関してはおまけ程度だが、
掘り返す労力さえかければ、
美味い水にありつけるのだ。

厳しい自然の中の小さなオアシス。
炎天下の救世主オデドア。