序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2019年2月13日水曜日

ジブチ

ジブチの首都である。

ジブチがどこか分からないかもしれない。
紅海の入り口に位置するアフリカの国だ。

念のため、紅海はアフリカとアラビア半島の
間にあると書いておこう。

狭い国土の多くは砂漠で、
農地には向かず、鉱物資源も乏しい。

酷暑に悩まされ、水は乏しく、
国民はふたつの民族が対立している。

そんな厳しい環境下にあるが、
周辺の他のアフリカの国より裕福である。

何故なら紅海の出口にあるからだ。
ジブチは貿易の中継港なのである。

この近辺は帝国主義時代、
列強が海上交易を有利にするため
しのぎを削った衢地である。

その結果、ジブチは緩衝地帯となり、
フランス領ではあるが
ゆるやかな支配下にあった。

民族対立が激しかったため独立は遅れ、
その後内戦もあったが、
ジブチ港は機能し続けた。

ジブチの国民とは無関係に、
国際社会の中で中継港の役割を
全うしなければならなかったためだ。

少し前はソマリア海賊の跳梁跋扈により、
海上の安全が脅かされた結果
少々衰退気味であった。

しかし、各国が海賊対策に乗り出し、
ジブチを拠点として活動しはじめたことで
息を吹き返す。

海上輸送だけではない。
アフリカ内陸、特にエチオピアとの
鉄道による輸送路はこのジブチが終点である。

とにかく、右から左へ貨物を流すこと、
それがジブチの役割であり、収入源だ。

各国の軍隊が駐留していることもあり、
治安は抜群。大自然の観光名所も数多い。
ここでは酷暑体験ですら観光の醍醐味である。

ただ交通の要衝にあるというだけで
他の国々とは違った運命を辿ったジブチ。

しかし、もしも流通が止まるような
事態が起きたなら、ジブチの人々は
自給自足もままならない。

外交が彼らの命を支えているのだ。