序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年6月7日木曜日

フジツボ

磯の岩肌にびっしりと生えているあれだ。

意外と知らない人が多いが、フジツボは甲殻類である。
エビやカニと同じ甲殻類である。

食べることも可能で、やはりカニのような味がする。

ただし、採取も処理も手間がかかるため、
コストが高く、量の割に値段が高い。

ああ見えて子供の頃は泳ぐことができ、
辿り着いた硬いものに取り付いて成長を始める。

あの富士山のような物体の中には
触手の生えたエビのような体が潜んでいるのだ。
なお、食べているのはプランクトンである。

色々な意味で気持ち悪いと
評判のフジツボだが味は良く、
カニより美味いと言う者もいる。
青森ではホタテのついでに養殖されているそうだ。

そんな高級食材扱いされているフジツボだが、
人間の活動にとって非常に害のある存在だ。

特に深刻なのが船舶である。
船底にフジツボが付着すると、
水の抵抗が増し、速度が低下する。

他にも、大量のフジツボによって重量が増したり、
エンジン冷却のために海水を取り入れる
配管内に繁殖することで水の通りを悪くしたりする。

フジツボが付きにくくするための防汚塗装は
帆船時代から工夫されており、
銅やなどの毒性のある金属が利用されてきたが、
環境を汚染する恐れがあってままならない。

なお、アメリカ海軍では毎年のフジツボに
起因する予算だけで新たな大型艦艇が
建造できるとも言われている。

もしフジツボ被害を根絶できるなら、
莫大な財産を築けるだろう。

悪影響を受けるのは船だけではない。
海水で冷却を行う必要のある発電所や
工場においても多大な被害が生じている。

小さなフジツボでも、
集まれば軍艦や建造物の脅威となるのだ。