序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年6月28日木曜日

亜麻

麻のように繊維が利用される植物である。
リネンの素材と言えば分かりやすいだろうか。

原産地は中央アジア西部であり、
ヨーロッパへと伝播した。

本邦では麻との付き合いが長く、
後から入ってきた亜麻は麻の一種として扱われたが、
植物種としては別物である。

なお、本邦では気候風土の関係から、
北海道が生育に適している。

小さな青みがかった白い花を咲かせる草なのだが、
繊維は茶色がかった金髪をイメージすれば
大体そんな感じのものだ。

前述のように亜麻繊維は麻繊維と混同されているが、
麻布は伸びにくく、亜麻布は柔らかい。
通気性と吸湿性に優れているところは似ている。

肌着や寝具によく使われ、リネンと言えば
寝具そのものを指すこともある。

また、リネンはフランス語ではランと呼ばれており、
このランで作られた高級下着をランジェリーと呼んだ。

古くは紀元前から用いられており、
ミイラを巻く布、キリストの聖骸布など、
遺体を覆うために使われた形跡がある。

現代のインドにおいても、亜麻布で包んだ遺体を
ガンジス川に流すと言われている。

大プリニウスはこの亜麻布を丈夫ではないが
高価なものと記しているが、
途中から綿の説明に変わっている。

ちなみに、亜麻の種から採れる亜麻仁油は
空気に触れると固まる性質から、
木材や皮革の仕上げ剤として使われている。

調理に利用した場合には、
いわゆる油臭さをあまり感じさせないことから、
密かな人気がある。

種をすり潰し、水を加えて乳化したものは、
卵の代わりに焼き菓子に利用でき、
軽やかな口当たりを楽しめるだろう。

生薬としては便秘に有効だ。