序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年6月27日水曜日

タルク

蝋や真珠のような光沢を持つ石である。

鉱物中最も軟らかいとも言われ、
滑石の名で知られている。

色は白が多いが、ピンク、薄緑、灰色など、
混ざった成分によって変わる。

様々な用途に活躍する物質で、
単体ではなく何かと混ぜて
使用されることが多い。

例えば、プラスチックに混ぜることで、
強度を増し、熱に強くすることができる。

また、塗料に混ぜることで、
光沢や粘度を調整することが可能だ。

なお、このタルク、鉱物ではあるが
生薬として扱われている。

古文書には体の余分な熱を取り除き、
利尿と抗炎症の作用があると書かれている。

口の渇きや尿路結石にも有効だとされ、
汗疹などの湿疹にも効くという。

生薬としては色が白いものが上質で、
軟らかいものほど薬効があるとされている。

こうした効能は実際に期待できるものであり、
本邦でも正倉院に納められた薬の中に
滑石が含まれている。

しかし、局法と呼ばれる現代の医薬品に
関する法律には、鉱物としての滑石とは
異なると書かれており、定義がずれているようだ。

時代によって書物に記された滑石に違いがあり、
別の鉱物なのではないかとも言われている。

鉱物名の滑石と岩石としての滑石も
同じ名前ながら異なるものを指すようで、
どうにも一筋縄ではいかない物質である。