序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年6月13日水曜日

トゲアリトゲナシトゲトゲ

一時期有名になったので
知っているかもしれないが、
順を追って説明しよう。

葉虫(ハムシ)と呼ばれる昆虫の種類がある。
コガネムシを小さくしたような虫で、
植物の葉を食べることからこの名が付いた。

そのハムシの中に、背に棘を沢山持つ種類がいる。
これはトゲハムシという名が与えられているのだが、
古くはトゲトゲと呼ばれていた。

例えばクロトゲハムシであれば、
昔はクロトゲトゲという名前だったのである。

さて、このトゲハムシの仲間に
棘の無い天邪鬼な奴らがいる。
彼らはトゲナシトゲハムシと呼ばれている。

もう分かったと思うが、
トゲナシトゲハムシの仲間に
再び棘のあるものが登場するのだ。

それがトゲアリトゲナシトゲハムシである。

カタカナの羅列に目がちかちかしてきたので
一度漢字で書いてみよう。

棘葉虫の仲間に棘無し棘葉虫がおり、
棘無し棘葉虫の仲間に棘有り棘無し棘葉虫がいるのだ。

カタカナ表記と漢字表記、
どちらがましだと思うかは人によるだろう。

とにかく、トゲハムシを昔はトゲトゲと呼んでいたので、
トゲアリトゲナシトゲハムシは
トゲアリトゲナシトゲトゲとなるわけだ。

ここまで書いておいて申し訳ないのだが、
正式にトゲアリトゲナシトゲハムシと
名付けられた虫はいない。

どうやらベニモンホソヒラタハムシという名の
棘のあるトゲナシトゲハムシのことを
好事家たちが愛称としてそう呼んでいたらしい。

ただ、棘のあるトゲナシトゲハムシが実在するということは、
それはトゲアリトゲナシトゲトゲ以外の何者でもないはずだ。

私のような虫好きでもない者が見掛けても
虫がいるとしか思わないだろう。

昆虫愛好家でも多くの場合トゲハムシとしか思わないだろう。
だが、一部のマニアはその虫を見てこう言うのだ。

トゲアリトゲナシトゲトゲがいるぞ、と。