序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年6月4日月曜日

除虫菊

正式な名前はシロバナムシヨケギクという。
種に成長する部分、胚珠に殺虫成分を持つ。

白いマーガレットのような花で、
蚊取り線香のパッケージにも描かれていたため
なんとなく知っている向きも多いだろう。

バルカン半島を席捲していた頃のセルビアにおいて、
この花の束の枯れたものの傍に多数の虫の死骸が
落ちていたことからその効能が発覚したという。

この花は明治期に本邦へと伝来し、
上山英一郎によって蚊取線香が発明された。

当初は棒状の線香だった金鳥香だが、
渦巻型に改良されたことで、
長時間の燃焼が可能となったのである。

本邦では古来より蚊遣(かやり)と呼ばれる
煙を焚いてを追いやる文化があった。

蚊取線香誕生の背景には
この蚊遣からの着想があったのだろう。

本邦ではマラリアが駆逐されて久しいが、
世界各地には未だ蚊が媒介する病によって
死に至る人々が少なくない。

そうした地域では蚊取線香が
多くの命を救っているのかもしれない。
偉大な発明である。