序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年6月8日金曜日

ケブカガニ

全身毛むくじゃらの蟹である。

藻に覆われた石のように見える。
おそらく、そうすることで
天敵から身を隠しているのだろう。

あまりの もふもふ ぶりに
アメリカ人はテディベアと呼んでいるらしい。

だが、水中でこそ ふさふさ した雰囲気だが、
空気中では濡れた毛が でろり と垂れ下がり、
一気に気持ち悪い印象に変わる。

温暖な海域に広く分布しており、
本邦でも太平洋側の島々近海に生息する。

種類は意外と多く、大して毛深くないものもいる。
中には毛のないスベスベケブカガニ
というものまでいる始末である。

毛が生えているから毛深蟹という
名であるにも関わらず、
毛が無くて すべすべ しているから
スベスベケブカガニとはどういう了見であろうか。

それはもはや普通の蟹なのではないだろうか。

なお、ケブカガニの多くは毒を持つため、
残念ながら食べられない。

毒がないとされる種類でも、
食べるという話は聞いたことがないため、
美味くはないのだろう。

蟹の類が持つ毒は、フグで有名な
テトロドトキシンなどえぐいものが多い。

蟹が食べている貝に由来するもので、
貝毒といえば少量で死に至るものばかりである。

本邦人は蟹や貝と聞くと、
すぐ美味そうだと思ってしまうが、
危険なので知らない海の生き物は
口にしないよう注意されたし。