じゃがいも のことである。
芽には毒がある。
名前の由来は諸説あり、馬の首からかける鈴、
馬鈴に似ているからとも、マレー半島を経由して
伝来したからとも言われている。
また、じゃがいもの名も、ジャワ島を経由して
伝来したからとも、ジャカルタを経由して
伝来したからとも言われている。
元々はアンデス高原でインカ人たちに
栽培されていたもので、トウモロコシと
並んで重要な食物とされていた。
それをイスパニア人がヨーロッパへ持ち帰るが、
当初は食べ方が確立しておらず、芽の毒にあたる
事例が続出し、食べ物と見做されていなかった。
鑑賞花として楽しまれていた馬鈴薯だが、
美食家で知られるプロイセンの王が
その育てやすさと栄養と美味しさに着目する。
自国民に半ば強制的に馬鈴薯を栽培させ、
戦争で荒廃し、食糧難となっていた国を救った。
痩せた寒冷地でもよく育つことから、
アイルランドにおいては、貧しい者の食事として、
馬鈴薯に依存した環境が形成されていった。
しかし、馬鈴薯の疫病が流行する。
ジャガイモ飢饉と呼ばれる事件は
凄まじい数の餓死者を出したことで知られる。
デンプン主体の炭水化物と思われている
馬鈴薯だが、実は野菜としての栄養価が高い。
特にデンプンで包まれたビタミンは
熱で破壊されにくいため、
吸収効率が良い。
このため、航海や軍隊において、非常に重宝された。
しかし、連作障害という、同じ畑で育て続けると
生育が悪くなる問題を抱えている。
連作時には疫病や寄生虫にも弱くなるようだ。
休耕と輪作が大切になってくるのだが、
こうした農業技術がなければ、
馬鈴薯の恩恵は受けられなかったかもしれない。
ところで、フライドポテトのことを
アメリカ人はフレンチフライ、
つまりフランスの揚げ物と呼ぶ。
特にフランス人が馬鈴薯の揚げ物を
好んだというわけでもなく、謎の呼称である。
英語のフレンチには、細長く切る、
という意味もあるそうだ。
もしかしたら、フランスは関係ないかもしれない。
イラク戦争が起きた際、アメリカに批判的だった
フランスへの抗議を込めて、
アメリカ人はこれをフリーダムフライと呼んでいた。
フランス人の与り知らぬところで
フレンチフライと呼んでおいて、
それを言い換えたところで何になるのだろう。
当時フランス人は、フライドポテトを考案したのは
ベルギー人なのだがと呆れていたとかいないとか。
ちなみに、同時にフレンチトーストも
フリーダムトーストと呼ばれていた。
大戦中にジャーマンポテトをリバティポテトと
言い換えていた例もあるので、
これはアメリカ人の趣味嗜好なのだろう。