清涼感のある香りを持つ香草である。
本邦では薄荷と呼ばれていたが、
あまり聞かなくなった。
様々な種類が存在するが、
多くは香りの強いペパーミント類と
甘やかさのあるスペアミント類に分けられる。
薄荷の語源には様々あるが、葉を蒸留して
薄荷油を作ると、かさが少なくなることから
少ない荷物と名付けられたという説がよく知られる。
ミントの名はギリシア神話の妖精メンテーに由来する。
こちらも様々な話があるが、冥界神に恋慕され、
その妻によって雑草にされたという大筋は変わらない。
利用に関しては、列記するには多すぎるほど
様々なものに香りを着けている。
大プリニウスに習うなら一々並べ立てるべきだが、
特に意外なものがあるわけでもないし、
読み難くなるのでやめておこう。
香料として八面六臂の活躍を見せるミントだが、
薬草として利用することも可能だ。
解熱発汗作用と、胃部不快感解消が期待できる他、
近年の研究では過敏性腸症候群を改善できるらしい。
他にも消化不良、咽頭炎、下痢、風邪、頭痛にも
効能があると伝えられている。
本邦にも土着の薄荷が存在し、
江戸期の山陽で栽培が始まった。
明治期には山形県が一大生産地となり、
その後、北海道へと基盤が移され、
世界的な産地となった。
だが、インドやブラジルで安価に生産されるようになり、
更には合成メントールが誕生したことで、
本邦での薄荷生産は衰退してしまった。