環境によって青から赤紫にかけて
異なる色の花を咲かせる植物である。
花は小さなものがまとまっており、
装飾花が毬状になる西洋紫陽花と、
周りを縁取る額紫陽花がある。
なお、西洋紫陽花も額紫陽花も
生物種としては同じであり、
品種の違いでしかない。
また、本邦本来の品種は本紫陽花というのだが、
見た目は西洋紫陽花と変わらない。
というのも、西洋紫陽花自体が、
元々本邦から大陸へ渡り、
西洋へ持ち込まれたものだという。
紫陽花の漢字は、本来ライラックなどの
他の花の名だったものが
誤用によって定着したという説がある。
アジサイの語源は集まる藍色だと言われている。
味狭藍と書かれている古文書もあり、
昔はこの花を青いものだと認識していたようだ。
だが、紫陽花は通常であれば赤紫色である。
土壌に含まれるアルミニウムを取り込むと、
色素が青色へと変化する。
よく土が酸性なら青、アルカリ性なら赤と言われるが、
これは確かにそうなのだが正確ではない。
土の酸性度が直接色を決めているのではなく、
アルミニウムが溶け出すかどうかが関係する。
酸性度の強い土壌であっても、
アルミニウムが乏しければ赤紫色のままである。
注意深く観察してみると、
青色だった花が次第に赤みを帯びていく
ことに気付けるかもしれない。
この変化は色素が自身の持つ酸によって変質するためで、
土壌とは関係なく起こる現象である。
ちなみに、この植物を食べることはできない。
毒があったりなかったりするためだ。
どうも個体差があるらしく、無毒のものもあるのだが、
含まれている場合のことを考えて食べない方が良い。
そもそも、硬さ、香り、味、いずれも食用に向いておらず、
特段栄養価が高いわけでもない。
食べる理由がないのだ。
毒は青酸系の猛毒であるものの、
含有量が少ないため、
死に至るほどではないようだ。
それでも、摂取してしまえば、
苦しい嘔吐や下痢に見舞われることだろう。
夏の料理に清涼感を与えるため、
飾り付けとして葉が皿に盛られていることがあるが、
あまり良いアイデアではないということだ。
ところで、この紫陽花の葉だが、
用を足した後に尻を拭く用途で使われていた記録がある。