アルミニウムは近代に発見された金属である。
名前は明礬を意味するラテン語のアルメンに由来する。
本邦ではアルミと省略されることが多いのだが、
やはり本邦人は略語が好きなようだ。
化合物状態では自然界に広く分布し、
鉄に次いで地表に多い金属だと言われている。
それが近代まで知られていなかったというのだから、
世界は一筋縄ではいかない。
単体のアルミニウムは熱と電気の伝導性が高く、
加工がしやすく軽い。
白い酸化被膜を生じるため腐食にも強い。
こうした性質はあらゆる分野でのアルミニウム需要を生み、
戦略物資として重要視されてきた。
粉末状にすると可燃性が非常に高く、
粉塵爆発を引き起こすため危険極まりない。
燃焼の際はガスを生じないため熱が集積して高温となり、
強い白色光を発する。
昔はカメラ撮影のフラッシュに使われていた。
また、酸化鉄との混合粉はテルミットと呼ばれている。
テルミットをマグネシウムによって着火すると
激しい反応が起こり、鉄だけが溶融する。
テルミット反応と呼ばれるこの性質を利用することで、
容易に鉄の溶接が行えるようになったのだ。
アルミニウムは銅やマグネシウムと共に
合金にするとジュラルミンとなる。
軽さと加工のしやすさはそのままに強度が
飛躍的に向上するジュラルミンは
航空科学分野では欠かせない。
含有金属の割合を調整することで
様々な性質のジュラルミンが生み出されるため、
用途に応じていくつもの種類が存在する。
以上のようにアルミニウムは非常に有用な金属なのだが、
電気の缶詰と呼ばれることもあるほど、
精錬に多量の電力を要するという弱点を持つ。
大規模な水力発電所を持つ途上国で
精錬されている例が多いのは、
少しでもコストを下げるためなのだ。
最後に、自然界のアルミニウムについて少し触れたい。
精錬前のアルミニウムといえばボーキサイトだが、
実はサファイアやルビーといった宝石類もまた、
酸化アルミニウムが主成分である。
クロムが混入すれば赤いルビーとなり、
チタンが混入すれば青いサファイアとなる。
金属の世界もまた、不思議なことばかりである。