序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年4月10日火曜日

アルミニウム

アルミニウムは近代に発見された金属である。

名前は明礬を意味するラテン語のアルメンに由来する。
本邦ではアルミと省略されることが多いのだが、
やはり本邦人は略語が好きなようだ。

化合物状態では自然界に広く分布し、
鉄に次いで地表に多い金属だと言われている。

それが近代まで知られていなかったというのだから、
世界は一筋縄ではいかない。

単体のアルミニウムは熱と電気の伝導性が高く、
加工がしやすく軽い。
白い酸化被膜を生じるため腐食にも強い。

こうした性質はあらゆる分野でのアルミニウム需要を生み、
戦略物資として重要視されてきた。

粉末状にすると可燃性が非常に高く、
粉塵爆発を引き起こすため危険極まりない。

燃焼の際はガスを生じないため熱が集積して高温となり、
強い白色光を発する。
昔はカメラ撮影のフラッシュに使われていた。

また、酸化鉄との混合粉はテルミットと呼ばれている。
テルミットをマグネシウムによって着火すると
激しい反応が起こり、鉄だけが溶融する。

テルミット反応と呼ばれるこの性質を利用することで、
容易に鉄の溶接が行えるようになったのだ。

アルミニウムは銅やマグネシウムと共に
合金にするとジュラルミンとなる。

軽さと加工のしやすさはそのままに強度が
飛躍的に向上するジュラルミンは
航空科学分野では欠かせない。

含有金属の割合を調整することで
様々な性質のジュラルミンが生み出されるため、
用途に応じていくつもの種類が存在する。

以上のようにアルミニウムは非常に有用な金属なのだが、
電気の缶詰と呼ばれることもあるほど、
精錬に多量の電力を要するという弱点を持つ。

大規模な水力発電所を持つ途上国で
精錬されている例が多いのは、
少しでもコストを下げるためなのだ。

最後に、自然界のアルミニウムについて少し触れたい。

精錬前のアルミニウムといえばボーキサイトだが、
実はサファイアやルビーといった宝石類もまた、
酸化アルミニウムが主成分である。

クロムが混入すれば赤いルビーとなり、
チタンが混入すれば青いサファイアとなる。

金属の世界もまた、不思議なことばかりである。