蓼食う虫も好き好きという諺で知られる植物である。
この諺から受ける印象では、
食用とするには向かない植物だが
これを食べる虫もいるというニュアンスに聞こえる。
しかし、実際には人間も食べる。
ピリっとした強い辛みがあるため
薬味として用いられるのだが、
独特の匂いがある。
なんと表現したものか、
腋の臭いをとてもマイルドにしたもの、
と言ってしまうと悪印象が強いか。
種類によっても違うようなので、
一概には言えないが、
単体ではさほど良い匂いというわけでもない。
ベトナムではこのタデも含め複数の香草を
混ぜ合わせた薬味がよく使われるが、
ブレンドした時が真価を発揮するのかもしれない。
紅蓼と呼ばれる種類は香りがあまり強くないため、
刺身のツマとしてよく使われる。
赤紫色のカイワレのような小さな草を見たことがないだろうか。
また、鮎の塩焼きにタデ酢と呼ばれる緑色のソースが
添えられることがある。
川魚特有の臭みを消すことができるのだが、
タデの匂いが嫌だという者もいそうだ。
さて、冒頭の虫の話だが、
実はタデ特有の匂いは除虫効果がある。
昔の人はその様子を観察し、
虫が嫌う草だと認識していたのだろう。
にもかかわらずタデを食う虫がいるというのが、
蓼食う虫も好き好きという諺のポイントだろう。
タデは漢方にも使われており、水蓼(すいりょう)と称す。
効能は脚気、リウマチ、下痢、打撲となっている。
民間療法の域を出ないが、熱中症に効くとされてきた。
虫刺されにも効果があるという。
なお、種類によっては青色染料としても使われる。