序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年4月8日日曜日

吼える40度線

西から東へ凄まじい風の吹く海域である。

アフリカ南端沖から東へ、オーストラリアの南方を通って
ニュージーランドを経由し、南米南端に至り再びアフリカ南方へと
循環する南半球の高緯度地帯のことだ。

風を遮る陸地が無いために、
地球の自転によって生まれる偏西風が好き放題吹き荒ぶ。

風が止むことは無く、風向きも一定のため、
帆船は東に直進し続けることが可能だ。

イングランドが植民地であるインドや
オーストラリアと連絡するために活用した。

ヨーロッパから大西洋を一気に南下後、
偏西風に乗ってインド洋まで出ると、
必要なら一度北上しインドへ、
再び南下して止まることなくオーストラリアへ向かう。

そこから地球を一周する形で太平洋を横断して南米に至り、
再び大西洋を縦断して本国へと帰還する。

補給できる機会が少ないものの、その条件下では、
必要な船員数が少なく船倉が大きく
帆の大きい船が有利となる。

これは小回りが利き人数を多く乗せる必要のある
海賊船には不利に働くことだ。

つまり、このルートを使うということは
海賊被害を抑えることにも繋がるわけだ。

難点は風が強すぎるため波が高く、
相応の大型船でなければ耐えられないことにある。

ちなみに更に南下すると「狂う50度線」
「絶叫する60度線」という海域が存在するが、
そちらは更に風が強く気温も大変低く流氷の危険まである。