序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年4月28日土曜日

オオウミガラス

絶滅したオリジナルのペンギンである。

どういうことかというと、
ペンギンという名は本来この鳥の名である。

我々の知るペンギンはこの鳥に似ていたことから
南極ペンギンと呼ばれるようになったのだ。
生物種としては完全に別の生き物である。

人間の幼児ほどの体長を持つ白黒の水鳥で、
飛ぶことはできない。

カラーリングはペンギンと聞いて思い描くものだが、
目の上からくちばしにかけて楕円状に白い。

足は黒く、我々の知るペンギンと異なり、
関節部も露出している。
飛ぶことはできないが翼もフリッパーではなく、
まさに水鳥の格好である。

生息地は北極海方面であった。
カナダ東部のニューファンンドランド島に
特に多かったようである。

我々の知るペンギン同様に好奇心旺盛で
危機感の薄いこの鳥は、人間を恐れることなく
むしろ積極的に寄ってきたという。

このため捕獲が容易であり、
「石を拾うよりも簡単」と言われていた。

肉と卵を食用にし、脂肪を燃料とするため乱獲されたのだが、
人間の航海技術の発達によってそれが加速、
各地で回復不能なほど個体数が減少していった。

最後に残されていた繁殖地は海底火山の噴火によって海に沈み、
本邦における幕末の頃に絶滅した。

悲しい話だが、この鳥の絶滅を目の当たりにしたからこそ、
人々は南極ペンギンに同じ運命を
辿らせずに済んだのかもしれない。