ディエゴ・デ・シルベスというポルトガル人に発見された
北大西洋の真ん中にある諸島である。
砂糖商たちの待望した新たな西の島であったが、
残念ながらサトウキビ栽培には向いていなかった。
アメリカ大陸発見後は中継地点として重宝されたものの、
この火山諸島で栽培できる作物は少なく、
商人たちの思惑は脆く崩れ去った。
しかし、何も作れないわけではない。
ワイン用のブドウを作ることができる。
アゾレスワインと言えばピコ島のものが優れているが、
生産量が少ないため知名度はそれほど高くない。
琥珀色のこのワインはドライな味わいと芳醇な香りが素晴らしい。
火山岩の合間に細々と存在する土壌を丁寧に手作業で畑とし、
細やかな世話をしてようやく実る手間の掛かったブドウは、
世界遺産の名に相応しい名酒となるのだ。