生物の定義は、細胞内に遺伝子を持ち
エネルギーを生み出し増殖することらしい。
よって、遺伝子を持ち増殖するが、
細胞を持たず自らエネルギーを生み出さない
ウイルスは生物ではないということになる。
ところで、ウイルスの名はラテン語で
毒液を意味するウィールスに由来する。
ドイツ語ではヴィールスで、
本邦でも初期はビールスと呼んでいたが、
ウイルス表記が正しいということになった。
ちなみに英語ではヴァイラスである。
外来語を使わないのであれば、
病毒もしくは濾過性病原体となる。
濾過性病原体とは、細菌濾過装置を通しても
除去できなかったことから付けられた名前だ。
細菌よりはるかに小さいためだ。
ウイルスは生物の細胞にくっつくと、
細胞に取り込むべき物質と誤認させ、
その中へと吸引される。
そして、細胞の持つ遺伝子を書き換え、
自身の複製を生み出させる。
その際に細胞が破壊されることで、
様々な病が発生するわけだ。
例えばエイズであれば免疫細胞に取り付き、
これを破壊してしまうため、
人は免疫力を失うことになる。
ところでウイルス進化論という面白い説がある。
まっとうな学説ではなく、
いわゆるトンデモと呼ばれるものだが、
ロマンがありフィクションで度々取り上げられる。
ウイルスによって遺伝子を書き換えられることで
変異が起こり、生物は進化してきたというものだ。
遺伝子の水平伝播と呼ばれる現象を
発展させて考案されたものだと思われるが、
物語的な説得力がある。
実際の生物学上の正誤は知らないが、
私のような物書きにとっては
非常に魅力的なお話である。
とはいえ、そのまま使ったのでは
二番煎じ三番煎じにしかならないので、
何かしらオリジナリティを加えるか、
若干のフレーバー程度に留める必要がある。
ウイルスのトンデモ話といえば、
宇宙からやってくるというものもある。
彗星が地球の近くを飛ぶと、
疫病が流行るという伝承は
古代より各地に存在する。
これは塵と共にウイルスが降り注ぐためだ。
ペストやインフルエンザは
彗星がもたらしたというのだ。
ペストはウイルスではなく細菌による病だが、
前述のウイルス進化と組み合わせれば、
ウイルスによって変異したペスト菌が
疫病をもたらしたと考えることもできる。
なんだか書いているうちに
信憑性のある話のような気がしてきた。