序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年8月17日金曜日

アイゴ

本邦各地に生息する魚である。

地域によって異なる名称で呼ばれるため、
名前を言っても通じないかもしれない。

アイ、イタイタ、バリ、メラ、シャク、シブカミ、
モクライ、ヤー、シラエー、ナベワリなどという。

ヒレに棘があり、刺されると酷く痛む
毒を持つことから嫌われている。

また、独特の臭気を持つことも、
嫌われる原因のひとつだろう。

だが、この魚が嫌われる最大の理由は、
ガンガゼと並んで磯焼けの原因と
されていることにある。

磯焼けとは、食い尽くされた海藻が
再び生えなくなり、海の砂漠と
化してしまうことである。

海藻の間に隠れて生育する魚や貝などが
住めなくなるため、漁業に大打撃を与える。

磯焼けの原因がガンガゼとアイゴの食害
だけとは限らず、様々な説が唱えられて
いるが、実はよく分かっていないらしい。

さて、臭くて棘に毒があるアイゴだが、
臭みさえうまく消してやれば美味である。

主に内臓が臭いため、新鮮なうちに
内臓を傷付けずに取り除けば、
肉に臭みが移らず刺身でも食べられる。

もっとも、多くの地域では食べる習慣が
無いため、食べる地域に住んでいなければ
なかなか賞味する機会はないだろう。

沖縄ではアイゴの稚魚をスクと呼び、
塩辛にして食べるスクガラスが有名だ。