序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2019年6月15日土曜日

甘茶

タピオカミルクティーではない。

アジサイの仲間の植物で、
見た目もガクアジサイにそっくりである。

若葉は茶として利用されるのだが、
名前の通り甘い。

含まれる成分の甘さはサッカリンの倍だ。
ただ、含有量はそこまででもないので
優しい甘みと言ってよいだろう。

もちろん、濃く煮出せばそれだけ甘くなるが、
微量の毒性があるため、濃い甘茶を
大量に飲むと嘔吐してしまうことになる。

と異なりカフェインは含んでいないが、
多量の飲茶は控えるように。

なお、生薬として、アレルギーや
歯周病に効くとされており、
本邦の薬局方に記されている。

ただし、純粋な漢方ではなく、
本邦特有の薬だ。

ところで甘茶は仏教で重要な地位を占めており、
灌仏会という儀式において、
仏像にかける風習がある。

これは、シャカが誕生した際に、
八大竜王が祝いとして産湯に甘露を
注いだという伝説に因む。

この灌仏会で使われた甘茶には
虫除けの効能があると昔は信じられていた。

そのような成分は無いのだが、
一種のおまじないとして
病をもたらす虫の退散に使われたのだ。

さて、甘茶はよく甜茶と混同される。
甜茶は特定の植物を指す言葉ではなく、
茶以外の茶のように飲める甘い飲料とできる
植物の総称である。

つまり、甘茶も甜茶の指し示す範囲内の存在だ。
甘茶は甜茶だが、甜茶の中のひとつ
であることを覚えておくといいだろう。

追記
大事なことを書き忘れていた。

本邦のアジサイの変種である甘茶は
本邦原産の固有の植物である。

当然、仏像にかける風習も本邦独自のものだ。