樹高の非常に高くなる豆である。
軽くて丈夫な木材としても利用され、
木目も美しく、楽器や家具の
素材として人気がある。
だが、やはりタマリンドといえば
豆、正確には豆の周囲の
果肉の利用が第一であろう。
さやに包まれた黒い豆は食用には向かないが、
これを加工することでタマリンドガムと
呼ばれる物質を作り出すことができる。
タマリンドガムは増粘安定剤という、
様々な製品に粘り気を加える用途で使われる。
シチューやカレーのとろみに始まり、
ジェル状石鹸など、実に様々な品物に
タマリンドガムが使われている。
さて、赤みがかった茶色い果肉は、
主に食品として扱われるが、
染料として使われる場合もある。
味は酸みが強く、甘みもある。
甘めの梅干しをイメージすれば
近いかもしれない。
元々アフリカ原産の植物であったが、
各地に移植され、インドやタイでも
ごく身近な植物である。
当然、それぞれの地域で様々な調理法があり、
インド洋周辺と東南アジアでは
とてもメジャーな存在だ。
アメリカ大陸にも持ち込まれており、
いわゆるラテンアメリカで
広く用いられている。
本邦では知名度が低いが、
世界的に見ればなかなかの存在感である。
酸み調味料としての使い方が最も多いものの、
品種改良によって甘みを強くしたものは
生食が可能で、ジュースに加工されたりもする。
なお、タマリンドの名はアラビア語である。
タマルとはナツメヤシを意味する言葉で、
ヒンディ、つまりインドのタマルとなる。
酸みが強いものの、確かに食感などは
ナツメヤシに似ており、インド商人が
サラセン商人との貿易に使っていた。
インドではイムリーと呼ばれており、
チャツネという調味料の重要な材料だ。
タイのトムソム、ベトナムのカインチュア、
フィリピンのシニガンなどにも
タマリンドは欠かせない。
栄養も豊富で、いくつかの薬効もあるが、
落花生アレルギーを持っている場合は
食べることができない。
実はタマリンドはピーナッツの仲間で、
同じアレルギーの原因物質を持つ。
また、本邦では生の果実は輸入されていない。
検疫を通過することができないためだ。
よって、タマリンドブロックと呼ばれる
果肉を集めて固めたものが売買されている。
インドやタイなどの輸入食品を扱う店で
購入可能なため、試してみるのもいいだろう。
ただし、酸みの強い品種のものと
甘みの強い品種のものが存在するため、
用途に合わせて使い分ける必要がある。
どちらであるか、しっかりと確認するように。