極楽鳥という華美な鳥がいる。
その鳥のような形の花を咲かせるため
極楽鳥花と呼ばれる植物である。
花は特徴的な大きな水平のがくを持ち、
翼を上方へ広げたような花弁が乗っている。
大きながくは蜜を吸いに来る太陽鳥という
鳥が止まれるように発達したものだ。
太陽鳥の足には花粉がたっぷりと付けられ、
よそのストレリチアに止まった際に受粉する。
原産地はアフリカ南部であり、
代表的な種、レギナエは極楽鳥の名の通り
非常に派手な色彩を持つ。
アルバとニコライは黒いがくに
白い花弁がつくため、地味な印象だ。
ノンリーフと呼ばれるユンケアは
花は滅多に咲かず、葉も小さいが、
観葉植物として人気である。
なお、オーガスタと呼ばれるものもあり、
これは本来アルバの別名なのだが、
ニコライがこの名で流通している。
おそらく流行に際して販売業者が
名前を間違え、それが一般化したのだろう。
よくある話だ。
ストレリチアという名はメクレンブルクの
シュトレーリッツ公爵の令嬢に由来する。
イングランド王ジョージ三世に
嫁いだシャルロッテは有名なキューガーデンの
設立を後援したほどの植物愛好家として知られる。
おそらく植物学者を支援したのだろう、
その家名がストレリチアの名の由来となっている。
話は逸れるが、シャーロット王妃は
モーツァルトのパトロンであった。
バッハの息子も支援している。
また、ウェッジウッドを愛好し、
この陶磁器がクイーンズウェア、
女王の愛用品の称号を名乗ることを許している。
ストレリチア・レギナエのレギナエとは
女王を意味する言葉である。
一方、ストレリチア・ニコライのニコライは
ロシア皇帝ニコライ一世に由来すると
されているが、その孫であるニコライ大公が
本当の由来だという文献も見受けられる。
いずれにせよ、この南国の花に
ロシアの皇族の名が付けられた経緯が
書かれた文献は、不勉強にして知らない。
アルバは白いという意味で、
オーガスタについては、いつの時代の
どのオーガスタさんが由来か
調べられなかった。
ユンケアはおそらく葦のようなという意味であろう。
羅和辞典がどこかへいってしまった。
ところでこのストレリチア、
本邦では生け花に使われることが多い。
少しお高いようだが、
特に正月に松と共に生けられるのが
トレンドのようだ。
松の葉が鳥の翼のようになり、
ストレリチアの花が冠羽を持つ鳥の
クチバシのように見える生け方が主流だ。
もっとも、生け花のことはよく知らないので
見た限りでの感想であり、
実際の意義などは私には分からないのだが。