序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2019年6月30日日曜日

スリカータ

スリカータ、あるいはミーアカットは、
本邦ではミーアキャットの名で知られる哺乳類である。
南アフリカ周辺に住まう。

ミーアカットの名は複雑で、語源には様々な説がある。
とりあえず、本来は猫を意味するキャットではない
可能性がとても高い。

どうも猿、あるいはマングースを意味するマルカタが
ミーアカットの名の本来の形であるらしい。
一方、スリカータは現地語由来のようだ。

マングースと近い種であり、食性も似ていることから、
東南アジアに住むマングースを意味するインド系の名称
マルカタがサラセン人によって持ち込まれ、
それがオランダ語で訛り、アフリカーンス語となったのが
ミーアカットなのではないかと思われる。

オランダ語ではカットは猫のため、
本邦でもそこから誤解が生じ、
ミーアキャットと呼んでいるのかもしれない。

スリカータの耳は非常に小さく、
直立することが多いため、
猿に間違われることも多かった。

マルカタには猿の意味もあるようで、
どうもマングースを猿と混同した名残が
ミーアカットの名前にもありそうである。

さて、スリカータは何でも食べる雑食だ。
様々な毒への耐性も持つことから、
サソリやヘビまで食べてしまう。

そのうえ気性が荒く、群れで行動するため、
サバンナのギャングと呼ばれることもある。
可愛らしい見た目に反して、なかなか獰猛なのだ。

直立する理由だが、第一には天敵である猛禽類の
接近を見張るためである。

次いで、夜間は気温の低い砂漠の地下で暮らすことから、
冷え切った体を朝日で温める意味がある。

群れが皆同じ方向を向いて立っているのは、
体を太陽に向けて日光浴しているためのなのだ。

群れにはオスのリーダーとメスのリーダーがいる。
繁殖を行うのはこの二頭だけであり、
血の繋がった他の個体は群れのサポートに徹する。

具体的には子育てを手伝い、巣を守るというものだ。
子供たちに狩りの仕方を教えていたという
観察報告もある。

ギャングというよりも、ファミリーを守る
マフィアのようだ。

巣穴は広大で、ジリスなど、他の動物と
シェアする度量の広さも見せる。
おそらく何らかの互恵関係にあるのだろう。

ところで、飼育下での繁殖は難しいらしい。
なんでもメスがリーダーの座を巡って
激しく争い、全滅してしまうこともあるという。

仁義なきミーアキャットというわけだ。