序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2019年6月8日土曜日

大理石

方解石と呼ばれる炭酸カルシウム結晶の岩石である。

特に、方解石同士が再結晶化して
大きな結晶となったものである。

輝く石を意味する言葉が語源のマーブルの名を持ち、
美しいことから古くより石材として重宝されてきた。

大理石の名は、現在の雲南省付近に存在した
大理国で産出したことから付けられた。

石灰岩の一種であるため古代生物の甲殻由来の
ものが存在し、中には化石が内部に
残されているものもある。

ただし、結晶質の石灰岩が大理石であるため、
化石が多く残っているようなものは
本来大理石とは呼べない。

しかし、本邦では建材に使われる石灰岩は
概ね大理石と呼ばれており、
その定義にずれが生じている。

さて、大理石で作られたものといえば
何を思い浮かべるだろうか。

古代ギリシアの神殿の数々や
インドのタージ・マハルなどの建造物、
ミケランジェロの彫刻などなど
数え上げればきりがない。

イタリアのカッラーラ、ギリシアのペンテリコなど、
有名な産地のものが高級石材として取引されるが、
比較的一般的な鉱物であるため、
世界中に産地が存在する。

本邦でも もちろん産出するのだが、
彫刻や建材にはあまりされない。

というのも、本邦の大理石は建材としてみた場合、
少々見劣りがする品質であるため、
工業用の石灰岩として消費されるのだ。

中には十分な美しさのものもあるため、
国産大理石を使った製品も無いわけではない。
山口県は特に良質な大理石の産地として知られる。

白鷹や薄雲、銀波や淡雪など、
雅な名前が付けられているのが印象的だ。

さて、大理石と言えば白く、マーブル柄と呼ばれる
紋様の入ったものを想像すると思う。

だが、中にはピンク色やオレンジ色、緑のものもあり、
トルコのアクシェヒルなどは黒く、
千差万別の大理石が存在することがわかる。

ヨーロッパ各国はこうした大理石をふんだんに
使った大理石宮殿を競って建造したため、
巨大な宝石細工とでも言うべき建築物が散在する。

高級石材の代名詞にもなっている大理石。
建築マニアにも地質マニアにも石材マニアにも
愛されるこの岩石は、今後も人気であり続けるだろう。