序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2019年5月17日金曜日

蛞蝓

いきなりだが、私はナメクジが嫌いだ。

昔は陸生の貝への好奇心が勝っていたが、
以前住んでいた家のナメクジ出現率が異様に高く、
台所で、風呂場で、厠で遭遇するうちに
心底気持ちが悪いと思うようになった。

よく知られていることに、
ナメクジにをかけると溶けるというものがある。

実際には体内の水分を持っていかれ、
縮むと言った方が正しい。

私も当初は塩をかけて撃退した気分になっていた。
そう、撃退したと思っていたのだ。

だが、奴らは復活する。
水分を取り戻すと復活するのだ。

排水溝の奈落へ流し込んでも無駄だ。
余裕で這い上がってくる。

熱湯で殺す方法も試したのだが、
これがいけなかった。

その姿は茹で上がった巻貝。
お陰で海産物が好物だったにも関わらず、
巻貝を食べることを躊躇するようになってしまった。

ちなみに、奴らは言ってみれば殻の退化した
カタツムリなのだが、実はしっかりと
殻の痕跡が残っている。

塩で縮ませるとよくわかるので
機会があったら観察してみてほしい。

いちいち観察していたから
気持ち悪さに耐えられなくなったのかもしれない。
そこは好奇心は猫を殺すというやつで
私の落ち度かもしれない。

なお、本邦でよく見られるナメクジは多くが外来種で、
はるばるヨーロッパから農産物に混じって
やってきた者たちだ。

ヤマナメクジという在来種もいるが、
その大きさたるや破壊力抜群である。
遭遇したくないものだ。

そういえば、カエルとヘビとナメクジの
三すくみというやつがある。

相手を食らうジャンケンの関係にあるのだが、
ナメクジがヘビを食うわけがないだろう。

さて、話が逸れたが、いや、原産だとかそういう話こそ
本来すべき話で、まさに三すくみの話を
掘り下げるべきではあるのだが、
駆除の話に戻ろう。

奴らは特定の匂いに敏感だ。
ビール酵母や ぬか床、つまり、発酵臭を好む。

これを利用して飲み残しの缶ビールを
出現場所に放置しておけば、
おびき寄せられ溺れ死ぬ。

問題点は、缶の中がおぞましいことになっていると思うと
缶を処分するために手にすることすら嫌だということだ。

なので、そもそも侵入させない手段をとるべきだろう。

奴らは銅を忌避する。
隙間という隙間、水回りに十円玉を置いてみた。

効果はあったと思う。
だが、あくまで嫌がるだけで撃退には程遠かった。

おとなしく文明の利器、悪魔の化学兵器、
ナメクジ駆除剤に頼るべきだった。

とにかく、奴らのせいで私は
巻貝の類が嫌いになってしまった。

いや、もうひとり犯人がいた。

レウコクロコディウムだ。
アレに関しては閲覧注意なので
興味本位で動画などを見ない方がいい。

いずれ記事にしようと思うので、
まずは文字だけで何者なのかを知り、
大丈夫だと判断してから視覚を汚染されるといいだろう。

ああ、気持ちが悪い。