序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2019年5月26日日曜日

瑪瑙

ジャスパー、オパール、石英などが層状になった
カルセドニーのことをアゲートという。
アゲート、つまりメノウはとても複雑な宝石だ。

瑪瑙の字は馬の脳に似ているためと言われているが、
なぜ他の動物でなく馬なのか、詳しいことはわからない。

アゲートの名はシキリアのアケイテス川に由来し、
この川は現在はディリッロ川と名を変えている。

さて、カルセドニーは複雑な鉱物であり、
その構造によって名前が変わるわけだが、
その一種であるメノウも更に細かく分類される。

メノウを構成する層が平行なものはオニキスと呼ばれ、
とても有名な宝石だ。

虹瑪瑙に苔瑪瑙、樹枝瑪瑙に羽毛瑪瑙、
錦石に雨花石、複雑な構造だからこそ、
様々な形態があり、それぞれに名前が付けられている。

それらの総称であるメノウとして見た場合、
世界中で産出するため希少性は高くない。
そのため、手に入れやすく、蒐集する愛好家は多い。

工芸品の材料とされることも多く、
アゲートの食器の数々は
ルーヴル宮にも多数展示されている。

仏教で言うところの貴重な七種の宝、
七宝のひとつにも数えられており、
文化的背景が豊かである。

なお、他の七宝は金、銀、瑠璃、玻璃、硨磲、珊瑚だ。
硨磲はシャコ貝のシャコである。

ところで、加工の容易なメノウだが、
多孔質のため人工的に着色することが可能だ。

着色によって更に魅力的なものへと
作り変えることができるわけだが、
見方を変えれば欺瞞がまかり通るということでもある。

例によってパワーストーンの紹介サイトを
いくつか見てみたが、着色について好意的に
書かれている傾向にある。

より安価に魅力的に見せる、
つまり売値を高くするために
着色の意義を説いているわけだ。

無知に付け込み非加工を装うより
よほど良心的ではあるが、
売り手の魂胆が透けて見えるのは興覚めだ。

もっとも、オーラを回復するだとか、
心のヒーリングになるだとか、
よく分からないことを言っているので
今更ではあるのだが。

以前にも書いたが、パワーストーンの
売り文句の変遷を研究するのも
面白いかもしれない。

私はやらないが、文化史的に意義があると思うので、
どなたか研究対象としてくれないだろうか。