序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2019年5月20日月曜日

ウシガエル

一抱えもある大きなカエルだ。

名前の通り牛のような声で鳴く。
夜中に鳴くのだが、これが尋常ではない大音量で
響き渡るため、騒音として問題になることもある。

原産地はアメリカ大陸で、英語でもブルフロッグ、
つまり牛蛙となっている。

その大きさから食用カエルとして最も一般的で、
本邦にも新たな食糧として移入された。

なお、アメリカザリガニは飼育するウシガエルの
餌として導入された生き物だ。

また、本邦にカレーライスが登場した初期には
肉は牛でも豚でも鶏でもなく
カエルがレシピに記載されていた。

それが何故、現在では滅多に食べることが
できないのかというと、
ウシガエルの貪欲さが原因だ。

ウシガエルは何でも食べる。
口に入れば同族だろうとお構いなしだ。

大きな体の悪食蛙。繁殖力も強い。
こんなものが野に放たれれば生態系を破壊してしまう。
実際破壊しており、駆除活動は今も続いている。

そう、逃げ出したウシガエルが問題となり、
生きた個体の輸送が法律で禁じられてしまったのだ。
これが蛙肉があまり流通していない理由である。

食品として流通する際にはもちろん死んでいるのだが、
この法律は飼育場にとって非常に困ったものだった。

結果、ウシガエル業者は壊滅した。
しかし、廃業した業者が不法投棄する事例が相次ぎ、
本邦全土にウシガエルが生息することになった。

侵略的外来種ワーストの常連であるウシガエルは
今も各地の生態系を乱し続けている。

肝心の食用の話をしよう。

よく鶏肉のようだと言われるが、
厳密には脂身の無い鶏肉だ。
とてもヘルシーなのである。

多くの場合脚だけを食べるのだが、
これは上半身は肉が少なく捌くのが面倒なためだ。
食べられないわけではない。

野生のウシガエルを捕獲し、
調理する人々もいるが、
彼らが口を揃えて言うことがある。

生食厳禁、調理後は器具を煮沸せよ。

前述のようにウシガエルは何でも食べる。
野生環境下では寄生虫だらけなのだ。

カエルを食べるなんて気持ち悪いと言う人は
少なくないと思うが、加えて寄生虫持ちと聞けば
多くの人が食べるのを嫌がるだろう。

だが、美味であることは間違いない。
冷凍モノは肉質が劣るため、
本当にうまいウシガエルを食べるには
狩ってくるしかないのだ。

なお、捕獲の際には必ずシメてから持ち帰るように。
生きたウシガエルを輸送するのは
違法だということを忘れないように。