白い軸と黒いけば立ったような笠を持つ毒キノコである。
名前の由来は、その毒の強烈さにより、
もんどり打って倒れるから、というのは後付けで、
死に至るほどの猛毒は無い。
本来はモンドリダケではなく、
モトドリダケという名であった。
髻、もとどり とは、いわゆる ちょんまげである。
それも、鎌倉時代以前の烏帽子の下に隠された、
ただ、束ねただけのものである。
もんどりを打つとは、翻筋斗を打つと書くのだが、
これは宙返りをして、頭から地面に落ちることを言う。
思いっきり失敗している。
つまり、もとどりを打つから変化した言葉だ。
ひっくり返れば、髷を地面に打ってしまうわけだ。
ちなみに、翻筋斗は本来もどりと読み、
宙返りそのものを指す。
もとどり と もどり が混ざって、
もんどりを打つという言葉が生まれたということになる。
俗説かもしれないが、モンドリダケに関して言うなら、
その姿かたちは もとどり によく似ているため、
モトドリダケが、モンドリダケとなり、
もんどりを打って倒れるほどの毒がある
という話に繋がったのは間違いない。
モンドリダケの毒は少々腹を壊す程度で、
そんなアクロテバティックな動きを
強いるほどの激烈さは無い。
ただ、味はのけぞるほど美味いという説がある。
確かめる気にならないため真相は不明だが、
これも、もんどりを打つ理由として
後付けされたことではないかと疑っている。
いずれにせよ、山里付近の雑木林に生えるという生態上、
確実に数を減らしているため、
見る機会すらないかもしれない。