クリル諸島にはラッコの島があるという。
かつて日本領であったが現在はロシアが実効支配している地域、
ウルップ島の東北東にチルポイ島という島がある。
チルポイ島は二つに分かれた島であり、
その間の水道が猟虎水道と呼ばれている。
そこにあるのが件の猟虎島である。
ロシアではモールスカヤ・ヴイドラー島として知られる。
ラッコの島という意味である。
島とは言うが野球場ほどの大きさの岩地だ。
かの地が猟虎島と呼ばれるようになったのは、
そこがラッコたちの楽園であるからではない。
古くから現地人によるラッコ猟が行われていた場所であるため、
この名が付けられたのだ。
なお、ラッコという呼び名はアイヌ語であるという。
ラッコの毛皮は恐ろしいほど撥水性と断熱性に優れており、
これを求める北の民は多かったことだろう。
現在ではラッコは国際条約によって
保護されている場合がほとんどであるため、
この毛皮を手に入れることは難しい。
アワビやウニを食害するため、
漁師からは害獣と見做されているが、
上記条約によって駆除できないのが現実らしい。