序説

序説

かの偉大なる博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスに倣い、 聞きかじった内容を元に森羅万象を書き記すものである。 なお、各項目に記す内容の真偽は検証せず、 嘘、大げさ、紛らわしいことを恐れずに執筆していくため、 読者諸兄はこの点に留意していただきたい。 物事を伝...

2018年2月26日月曜日

猟虎島

クリル諸島にはラッコの島があるという。

かつて日本領であったが現在はロシアが実効支配している地域、
ウルップ島の東北東にチルポイ島という島がある。

チルポイ島は二つに分かれた島であり、
その間の水道が猟虎水道と呼ばれている。

そこにあるのが件の猟虎島である。
ロシアではモールスカヤ・ヴイドラー島として知られる。
ラッコの島という意味である。

島とは言うが野球場ほどの大きさの岩地だ。

かの地が猟虎島と呼ばれるようになったのは、
そこがラッコたちの楽園であるからではない。

古くから現地人によるラッコ猟が行われていた場所であるため、
この名が付けられたのだ。

なお、ラッコという呼び名はアイヌ語であるという。

ラッコの毛皮は恐ろしいほど撥水性と断熱性に優れており、
これを求める北の民は多かったことだろう。

現在ではラッコは国際条約によって
保護されている場合がほとんどであるため、
この毛皮を手に入れることは難しい。

アワビやウニを食害するため、
漁師からは害獣と見做されているが、
上記条約によって駆除できないのが現実らしい。