グロテスク・ブロブ・モンスターの略である。
海岸に忽然と現れることのある大きな謎の物体で、
異臭を放つ肉のような塊だ。
多くの目撃例において、空洞のある毛ようなものに
覆われているとされていることから、
未知の哺乳類の死骸ではないかと考えられてきた。
現在最も有力な説では、クジラの死体の中でも、
分解されにくい脂肪の回りに
バラバラになった筋繊維が繋がっているものだとする。
毛に見えるものは筋繊維だというのだ。
異臭は言うまでもなく腐敗臭である。
百二十五年ほど前に目撃された例では、
学者が詳しく調査を行っている。
記録によると、それは白に近いピンク色をしており、
ゴムのような弾力があったという。
生物学者ははじめそれを巨大なイカの死体だと考えた。
しかし、詳しく調べて後、巨大なタコであると結論付け、
オクトパス・ギガンテウスと名付けた。
だが、タコと断定してしまって良かったのだろうか。
このグロブスターには目やその他の器官が無かったのだ。
しかし、その後、五十年ほど前に調査された際にも、
やはりタコだと判断されている。
伝説にある海の怪物クラーケンではないかと
さかんに喧伝されたものである。
三十五年ほど前の調査でもタコという結論だった。
何をもってタコだと判断したのか
むしろ不思議に思える。
こんな状況に一石を投じたのが二十五年前の調査である。
この時には、クジラの皮膚に近い位置の脂肪だと判断された。
蛋白質の構造が同じであったらしい。
これでグロブスターの謎が解けたかというとそうでもない。
どうも、これまでに目撃されたものすべてが、
同じ性質を持っていたわけではないようなのだ。
いや、おそらくクジラで間違いないとは思うのだが、
中には未知の物体があった可能性もある。
何も、海に知られざる巨大生物がいると
主張したいわけではない。
ただ、世の中にある不思議がすべて解明されたと
思うのは早計で、まだまだ未知の領域が
あると信じたいだけだ。
ところで、ブロブといえば昔のホラー映画で
よく登場した粘液状の怪物である。
知性もなく、ただひたすら生き物を消化し、
巨大化していく怪物というのは
かなり恐ろしいイメージである。
ゲームの分野でも、スライムやウーズなどと名前を変えて、
このブロブの類いが登場してきた。
もっとも、恐怖の存在ではなく、
弱い序盤の敵であることが多いのだが。