佐賀県の有明海の干潟に生息する魚である。
体はウナギのように細長く、
体の色は青みがかった灰色だ。
泥中に棲むため目は退化しており、
腹側のヒレが吸盤状になっている。
最も特徴的なのはその口だろう。
下顎が長く、上を向いた口にはずらりと牙が覗く。
かなりの強面だが、牙は人の皮膚を突き破れるほど
鋭くはなく、アゴの力も強くない。
だが生命力は強く、活け作りにされても
口がよく動いている。
指を噛ませて悲鳴をあげて見せるのは
旅の宴会の定番の遊びだ。
このワラスボ、かなり美味い魚である。
味が濃いのだ。
干物にすると素晴らしい出汁がとれる。
国内で唯一の生息地として
佐賀県の名産品になっているが、
大陸ではもう少しメジャーである。
氷河期、大陸と陸続きだった頃に分布していたものが
取り残されたのだろうと言われている。
漁の際にはガタスキーと呼ばれる板を乗りこなし、
スボカキという漁具を操る。
皮が少々泥臭いのだが、
それも含めて酒によく合う。
干物にすると泥臭さがとれるほか、
刺身にする時は皮を取り除けば
そう匂いを感じることもないだろう。
佐賀県が観光の広報にこの魚を大々的に
使っているため、意外と知名度が高い。
通称、有明のエイリアンである。